■ 「ウォン・カーウァイ DVDコレクション デジタル・リマスター版」を適当に検証するコーナー。


 2006年6月23日、「ウォン・カーウァイ DVDコレクション デジタル・リマスター版」が発売されました。内容は、「いますぐ抱きしめたい」、「欲望の翼」、「恋する惑星」、「天使の涙」の4作品と、「恋する惑星」・「天使の涙」の予告編や、クリストファー・ドイル、クエンティン・タランティーノのインタビューなどをを収録した特典ディスクのパッケージです。
ウォン・カーウァイのDVDは以前にも発売されていましたが、今回発売されたDVDとは何がどう違うのか?そんなわけで、旧版のDVD(2000年前後に出たDVD)も持っている事だし、自分のまとめがてら、検証してみようというコーナーです。検証といっても、オーディオに関する知識に詳しいわけでもないし、大した分析は出来ないと思いますので、適当に読んでもらえると嬉しいです。とりあえずここでは2000年前後にプレノンアッシュやコロンビアから出たDVDを旧版、今回ユニバーサル・ピクチャーズから出たDVDを新版とします。

 さて、今回のDVDはデジタル・リマスター版という事ですが、まず「デジタル・リマスター」とは、マスターフィルムをデジタル処理して焼き直したもので、簡単に言うと、映像が綺麗になったり、音声が良くなったりします。そこで音声をチェック。確かに旧版では1CHですが、新版は5.1CHとなっています。1CHや5.1CHとは何かというと、これまた簡単に言えば、1CHだと一方向から音が出る(モノラル)、2CHは左右の二方向から音が出る(ステレオ)、5.1CHだと五方向、つまり左右前後から音が出る(サラウンド)、というイメージで考えれば良いかと思います。

 次に映像の方。新版を見てみると、確かに旧版にあったノイズのちらつき等がなくなって、綺麗になっています。(旧版をお持ちでない方も、新版に収録されているオリジナル予告編を観ると、その違いがわかるかと思います。)他に違うところというと・・・。

旧DVDボックス(絶版)


DVDコレクション



旧版


新版

旧版


新版


 条件は全く同じで再生したのですが・・・結構、色合いが違うかも・・・!新版の方が全体的に青みがかっていて、緑色が強いるようです。ちなみに右は新版に特典として収録されているオリジナル予告編。オリジナル予告編の方が色鮮やかですね。本編はやはり緑色が強いようです。今回は「欲望の翼」でのみ検証を行っているので、他の新版の作品について同様かどうかわかりませんが、少なくともこの「欲望の翼」は色あいの違いがあるようです。
 とりあえず私の個人的な感想を言わせてもらうと、旧版に比べて画面のノイズがなくなった所はいいかなと思います。色については、どちらが元の色合いかわからないけど、個人的には旧版の方が好きかな・・・。でも、こういう風に比較したからわかる事であって、映画自体が元々夜のシーンが多くて暗い色合いなので、ものすごく気になる!というほどではないと思います。

 まあ、細かい事をつらつらと書き連ねてしまいましたが、どちらも本編の内容は変わらないし、ウォン・カーウァイの昔の作品を観た事がない人には本当にオススメです。私も検証と言いつつ、結局全部観てしまいました。やっぱり面白い!あと、新版が出たから旧版を処分しようと最初考えていたのですが、上に書いたように映像に違いがあるし、旧版にはカーウァイのインタビューが入っている事を思い出したので、やっぱり処分できないという結論に至りました(笑)旧版に入っているウォン・カーウァイのインタビューと、新版の特典ディスクについては、また別の機会にレポートしようと思います。
旧版は現在絶版のようですが、お持ちの方はぜひ詳しく検証して、私に教えてください!(笑)(・・・あとこの検証についてのツッコミがあったらメールフォームからお願いします・・・!)
(2006.06.26)

新版収録の予告編

新版の本編