WONG KAR-WAI : Filmography

 1958年7月17日、上海生まれ。5歳の時、家族とともに香港に移住し、1980年に香港理工学院を卒業。卒業後TVB(香港のテレビ局)に入社し、その後、映画界に転身。


1982
『彩雲曲』(アンディ・ラウのデビュー作)で映画脚本家としてデビュー。
1987
『マカオ極道ブルース』(チェン・タンチョー監督、ロバート・タン製作、チョウ・ユンファ主演)、『最後勝利』(パトリック・タム監督、ジョン・シャム製作、ロレッタ・リー、エリック・ツァン他出演)、『バンパイア・コップ』(ラウ・チェンウェイ監督、リッキー・ホイ他出演)など、10本以上の脚本を担当した。特に『最後勝利』は、翌88年の香港電影金像奨脚本賞にノミネートされ、彼の才能が広く知られるきっかけとなった。
1988
アンディ・ラウ、マギー・チャン主演、『いますぐ抱きしめたい』で監督デビュー。翌89年の香港電影金像奨で助演男優賞(ジャッキー・チュン)、美術賞を受賞。カンヌ国際映画祭ではカメラドール賞(新人監督賞)にノミネートされた。
1990
レスリー・チャン、アンディ・ラウ、マギー・チャンほか、6大トップスター共演による、『欲望の翼』を公開。翌91年の香港電影金像奨でグランプリ、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞など主要5部門を制覇。台湾の台北電影奨でも監督賞ほか、多数のタイトルを獲得。ベルリンをはじめとする各国の映画祭でも上映され、世界から注目されるきっかけとなる。
1992
ジェフ・ラウと共に、自らの製作会社ジェット・トーン・プロダクション(澤東製作有限公司)を設立。
1993
『楽園の瑕』の撮影が長引き、ジェフ・ラウが同キャストを使って撮影の合間に撮った『大英雄』が公開された。カーウァイは製作総指揮。豪華スター共演のコメディで大ヒットした。
1994
レスリー・チャン、トニー・レオン、マギー・チャンら、8大トップスター共演による時代劇、『楽園の瑕』を公開。同年、『恋する惑星』を公開。
『楽園の瑕』はヴェネチア国際映画祭に出品され、金のオゼッラ賞(芸術賞)を受賞。翌95年の香港電影金像奨で、『恋する惑星』は10部門、『楽園の瑕』は9部門にノミネートされ、『恋する惑星』はグランプリ、監督賞、主演男優賞(トニー・レオン) 、編集賞を受賞。台湾金馬奨では『恋する惑星』で主演男優賞(トニー・レオン)受賞。
『恋する惑星』は世界各国で公開され、翌95年には日本でも公開。大ヒットを記録した。また、この映画に熱狂したクェンティン・タランティーノが、自社の映画配給レーベル「ローリング・サンダー」の第一弾として、96年春全米で公開した。
1995
金城武、カレン・モクほか出演の、『天使の涙』を公開。
『恋する惑星』におさまらなかった、第3のエピソードから派生、発展して制作されたもの。作品中では超広角レンズを多用した、独自の映像美を展開。
翌96年、台湾金馬奨で編集賞、美術賞の2部門を受賞。96年香港電影金像奨でも助演女優賞(カレン・モク)、撮影賞、映画音楽賞の3部門を受賞。日本でも96年夏に公開され、『恋する惑星』に引き続いて大ヒットを記録。
1996
日本のトップデザイナー、TAKEO KIKUCHI製作、カーウァイ監督のショートフィルム、『wkw/TK/1996@7'55''hk.net』を発表。8分程度の短い作品ながらも、独特の映像世界を展開。作品はTAKEO KIKUCHIのCMとしてもオンエアされ、好評を博した。
1997
レスリー・チャン、トニー・レオン主演、『ブエノスアイレス』を公開。
カンヌ国際映画祭で、香港映画人初の最優秀監督賞を受賞。ゲイカップルの繊細な心の動きを描き、世界でも高く評価された。同年、日本でも公開され、ロングランを記録。
1998
カーウァイ製作、エリック・コット監督の『初恋』を公開。金城武、カレン・モクらが出演し、カーウァイ作品のパロディなども含まれている。
2000
トニー・レオン、マギー・チャン主演、『花様年華』を公開。
カンヌ国際映画祭で、主演男優賞(トニー・レオン)、高等技術院賞を受賞。60年代を意識した美術と洗練された映像が展開され、高い評価を受けた。日本では翌01年に公開。
2001
BMWのホームページ「The Hire」にて、オリジナルショートフィルム、『The Follow』を公開。
また、カーウァイ自らが一年をかけて編集した、『花様年華』の外伝とも言える作品、『花様年華(延続篇)』を収録したDVDを発売。本編ではカットされた、ポーリー・スンのシーンなどが収録されている。
韓国のR&Bアーティスト、BrownEyesのプロモーションビデオで編集と一部シナリオを担当。チャン・チェンが出演した、この『Already a year』は、曲の完成度だけでなく、映像も話題となり、大ヒットした。
2002
世界的アート・ファッション誌、「VISIONAIRE(ヴィジョネアー)」の39号に参加。SONYのゲームハード、「PlayStation」とのコラボレートで、世界限定4000部で発売された。
また、イギリスヒップホップシーンで活躍するDJ Shadowの『Six Days』のプロモーションビデオ監督を務める。チャン・チェンが出演。
2004
近未来を描いた、『2046』を発表。トニー・レオン、マギー・チャンほか、日本からは木村拓哉も参加するなど、アジアのスターが多数出演している。カンヌ国際映画祭に出品したが、受賞は逃した。10月、日本公開。
スティーブン・ソダーバーグ、ミケランジェロ・アントニオー二らと共に制作したオムニバス映画で、チャン・チェン、コン・リー主演の『THE HAND』を発表。